社会福祉施策・高度先進研究事業(平成28年度以前)
平成28年度
地方自治体における福祉課題解決方法のニーズ評価のあり方~プログラム評価によるボトムアップ式の検討~
研究代表者氏名
通信教育科 准教授 贄川信幸
平成27年度
地方自治体における福祉課題解決方法のニーズ評価のあり方~プログラム評価によるボトムアップ式の検討~
研究代表者氏名
社会事業研究所・通信教育科 准教授 贄川信幸
平成26年度
福祉系大学・大学院・養成校卒業者のキャリア形成と大学・大学院の役割および人材育成データベース構築に関する調査協力~力量ある上級ソーシャルワーカー育成に向けて、根拠に基づく実践(EBP)プログラムおよび実践家参画型プログラム評価への教育ニーズ~
研究代表者氏名
社会福祉学部 教授 大島巌
研究課題
福祉系大学・大学院・養成校卒業者のキャリア形成と大学・大学院の役割に関する調査研究
~力量のある上級ソーシャルワーカー育成に向けて、科学的根拠に基づく実践(EBP)プログラムおよび実践家参画型プログラム評価への教育ニーズに焦点を当てて~
研究結果の概要
準備中
研究成果の活用・提供予定
準備中
研究成果物
地方自治体における福祉ニーズとその対応の実態―プログラム評価の観点からのアプローチ―
研究代表者氏名
社会事業研究所 准教授 贄川信幸
研究課題
地方自治体における福祉ニーズとその対応の実態―プログラム評価の観点からのアプローチ―
研究結果の概要
準備中
研究成果の活用・提供予定
準備中
研究成果物
準備中
ハンセン病対策に関する教訓を踏まえた基礎的研究
研究代表者氏名
社会福祉学部 教授 藤岡孝志
研究課題
ハンセン病対策に関する教訓を踏まえた基礎的研究
研究結果の概要
ハンセン病対策研究については、既に検証会議がおこなわれ、各分野の専門家によって最終報告書が出されている。また、ハンセン病裁判の裁判記録も出版され、その細かな検証もさらなる課題となっている(研究所にて閲覧可能)。その中にあって、今回の共同研究では、広く子ども領域、特に未感染児童に関する課題に焦点を当てて、掘り下げていった。
そこで、まず、子ども関係の文献がどのように出版・報告されているかということを、メタアナリシス手法を用いて、網羅的に探索していった。その結果、「無感染児童」、「学校登校差別」、「誕生死」などのキーワードを発見することができた。また、それらを図にすることで、それぞれの概念を構成する関係性を概観することができた。
そのなかで、無感染児童の課題は、療養所の中に、保育施設が造られた一定の時期に限定されていることがわかった。
多くの子どもたちは、社会参加をすることができており、無感染児童の置かれた状況に関する研究は、その社会参加の状況を明らかにすることも意味しており、研究者としてのジレンマに関わる課題であることが改めて浮き彫りになった。
そのことは、この領域の専門家との議論でも明らかになり、ハンセン病領域に関する研究の難しさとともに、研究者としての配慮に思い至ることが重要であることが改めて検討された。
研究成果の活用・提供予定
子ども領域に関する研究の整理、及びその研究のデータベース化は、今回の研究で果たすことができた。無感染児童に関する研究も含め、その研究の社会的意義、及び社会的な波及への配慮も忘れないで、今後研究を蓄積していくことが大事と考えられる。子ども領域に関する(ハンセン病領域研究における)研究蓄積は、研究所内に保存されている。
研究成果物
平成25年度
福祉系大学・大学院・養成校卒業者のキャリア形成と大学・大学院の役割および人材育成データベース構築に関する調査協力~力量ある上級ソーシャルワーカー育成に向けて、根拠に基づく実践(EBP)プログラムおよび実践家参画型プログラム評価への教育ニーズ~
研究代表者氏名
社会福祉学部 教授 大島巌
研究課題
福祉系大学・大学院・養成校卒業者のキャリア形成と大学・大学院の役割に関する調査研究
~力量のある上級ソーシャルワーカー育成に向けて、科学的根拠に基づく実践(EBP)プログラムおよび実践家参画型プログラム評価への教育ニーズに焦点を当てて~
研究結果の概要
日本社会事業大学通信教育科社会福祉士課程卒業生3,127名を対象に,卒業後のキャリア形成状況,キャリア形成への意識,EBPへの認識等を問う自記式調査(郵送法・悉皆)を行った。1,272名から回答を得た(回収率は40.7%)。回答者は,福祉職経験10年以上,入学前に社会福祉施設・事業所勤務,常勤であった者,入学目的が資格取得である者,現在は高齢者福祉領域勤務者の割合が大きかった。
当研究班が平成24年度までに実施した,専門職大学院・通信教育科精神保健福祉士課程卒業生の回答と比較したところ,現在のキャリア状況への満足度(どちらかというと満足+満足=56.9%)や,キャリアをより良いものにしようとする認識(よく考える+ときどき考える=88.0%)は他コースとほぼ同様の傾向を示したが,キャリア形成に関する具体的活動や認識は当コース卒業生のニーズを反映した特徴を示した。またEBPに対する認識等は他コース卒業生よりも低い傾向が認められ,当コースの教育ニーズの特徴を踏まえたアプローチが必要であることが示された。
研究成果の活用・提供予定
本研究結果は報告書や研究論文としてまとめるほか,キャリア形成ニーズに関するデータベースに反映し,ニーズに応じた情報発信,研修等企画の資料として活用予定である。具体的には,現職者へのEBPへの認識を高めるための啓発活動や,EBPおよびキャリア形成に関する研修会を開催する予定である。
研究成果物
ハンセン病対策に関する教訓を踏まえた基礎的研究
研究代表者氏名
社会福祉学部 教授 藤岡孝志
研究課題
ハンセン病対策に関する教訓を踏まえた基礎的研究
研究結果の概要
本研究は、ハンセン病対策が抱えていた社会福祉的な意味を問いなおし、ハンセン病対策の歴史と現状が、広く社会福祉教育に対して、どのように貢献できるかということを検討することを目的として企画された。また、日本社会事業大学の近隣には、国立ハンセン病資料館があり、そことの研究の提携の活性化も、本研究の大きな目的である。初年度である平成25年度共同研究に先立って、その前年度平成24年6月に国立ハンセン病資料館との今後の研究提携に関する話し合いの機会を持った。また、同年9月には、研究所主催の研究交流会において、国立ハンセン病資料館職員からハンセン病及びハンセン病対策に関する講義をいただいた。このようなことを踏まえて、平成25年度から2年間にわたって共同研究を通して、国立ハンセン病資料館との研究連携を深め、かつ、本学におけるハンセン病対策研究の進展を企画した。そして、初年度である平成25年度は、ハンセン病に関する基礎資料を収集した。
また、その資料の収集を基礎にして、本研究の共同研究の一環として、「ハンセン病対策に関する一考察―結核対策との比較を中心にー」というテーマで文献の概観を踏まえた考察を加えた。特に、1953年のらい予防法の成立に至るまでの経緯と、成立後も隔離政策が継続せざるを得なかった要因についての分析を行った。
研究成果の活用・提供予定
ハンセン病対策の社会福祉的な意義について、さらに平成26年度研究を展開し、一定の成果として報告書を作成する予定である。
研究成果物
平成24年度
福祉系大学・大学院・養成校卒業者のキャリア形成と大学・大学院の役割に関する調査研究~力量のある上級ソーシャルワーカー育成に向けて、科学的根拠に基づく実践(EBP)プログラムおよび実践家参画型プログラム評価への教育ニーズに焦点を当てて~
研究代表者氏名
社会福祉学部 教授 大島巌
研究課題
福祉系大学・大学院・養成校卒業者のキャリア形成と大学・大学院の役割に関する調査研究
~力量のある上級ソーシャルワーカー育成に向けて、科学的根拠に基づく実践(EBP)プログラムおよび実践家参画型プログラム評価への教育ニーズに焦点を当てて~
研究結果の概要
日本社会事業大学の専門職大学院修了者431名と通信教育科精神保健福祉士課程卒業生2,342名を対象に,卒業後のキャリア形成状況,キャリア形成への意識,EBPへの認識等を問う自記式調査を行った。それぞれ216名,974名から回答を得た(回収率はそれぞれ50.1%,41.6%)。
EBPへの関心度別に集計を行った結果,両課程でEBPへの関心が高い者ほど現在のキャリア形成状況やキャリア形成への状況に対する満足度が低く,キャリアをより良いものにしようと考えている者の割合が高い傾向が認められた。また,EBPへの関心が低いものは,EBPの認知度や有用性に対する認識自体が低い傾向が,一貫して認められた。
研究成果の活用・提供予定
本研究結果は報告書や研究論文としてまとめるほか,キャリア形成ニーズに関するデータベースのための資料として活用する予定である。また,キャリア形成に必要な研修等の意見を元に,現職者へのEBPへの認識を高めるための啓発活動や,EBPおよびキャリア形成に関する研修会を開催する予定である。
研究成果物
平成23年度
CD-TEP評価アプローチ法を用いた実践家参画型協働型福祉実践プログラム評価の評価リカレント教育法・実践家評価支援法の開発と全国調査を用いた有効性検証
研究代表者氏名
社会福祉学部 教授 大島巌
研究課題
CD-TEP評価アプローチ法を用いた実践家参画型協働型福祉実践プログラム評価の評価リカレント教育法・実践家評価支援法の開発と全国調査を用いた有効性検証
研究結果の概要
本研究は、学部卒業生の卒業後のキャリア形成状況と上級ソーシャルワーカーに不可欠になると考えられる評価教育についてのニーズを、CD-TEP評価アプローチ法の側面から把握することにより、今後の卒業生のキャリア形成に必要な要素や大学のあり方を検証し、大学院に求められる評価教育やEBPに基づく教育を加味したカリキュラムの再構築を目的として行われた。
なお、CD-TEP法はプログラム評価の理論と方法論を用い、実践現場の創意工夫と実践的な努力を反映させ科学的根拠を蓄積するアプローチ法である。
3月末時点までの暫定的な分析結果としては、回答者のうち、約7割が社会福祉施設や自治体、医療機関、教育研究機関に勤務していたが、キャリア形成に関わる研修会や教育・研究機会の経験があるものは回答者の約半数であった。
キャリア形成をより良くするために必要なこととしては、職場での研修機会の充実やスーパビジョンが最も多く挙げられた。社会事業大学が提供するキャリア形成教育プログラムの中で関心が高かったものは、レカレント講座、通信教育科、専門職大学院、研究大学院などであった。
EBPに関しては、「ほとんど知らない」と回答したものが最も多く全体の約7割であったが、EBPに関心が高いグループで、年齢が若く、現在のキャリア状況への不満が高く、キャリア形成に関わる研修会や教育・研究機会の経験が多い傾向が見られた。
現段階において、大学院に求められる評価教育やEBPに基づく教育についての認知度は必ずしも高くはなかったが、キャリア形成に積極的な階層にはこれらの教育システムの構築が必要であることが示されたといえる。
研究成果の活用・提供予定
本研究によって行われたアンケート調査票の回収は、上記の分析中にも継続して行われた。したがって、暫定的な分析枠組みを用いた最終結果を本学のカリキュラムの再検討に活用可能な形で提供する。同時に、これらのデータを活用した論文(発表媒体は未定)により、社会福祉学系大学院のあり方と評価教育およびEBPに基づく大学院教育のあり方を示すことにより、社会福祉学系大学院のモデルを示す。
研究成果物
指導的介護福祉士の養成の在り方に関する基礎的研究
研究代表者氏名
実習教育研究・研修センター 准教授 松井奈美
研究課題
指導的介護福祉士の養成の在り方に関する基礎的研究
研究結果の概要
リーダーの資質が提供する介護サービスの質に影響することは、各種介護福祉実践現場の介護リーダー共通の課題であり、現場で働く介護リーダーは、不安と疑問を抱えながらリーダー業務を遂行していたことがリーダー養成プログラム受講者(研究被験者)の実態から確認できた。また、被験者を通して実施した研修プログラム評価や受講に関する受講者アンケートから介護リーダー研修の必要性が明確になった。研修プログラムの評価としては、現場で働くリーダーの業務実態を勘案した日程及び回数に修正することが必要であることや受講者参画型授業を行うことで理念・意識・認識にアプローチし、リーダーとして達成可能な目標の獲得、職務遂行における意欲の維持向上が必要であることを確認した。
また、介護リーダーの資質向上だけでは組織の資質向上は図れない。上司、部下のチームメンバーとしての意識が介護リーダーの資質向上及び提供する介護サービスの質に大きく影響することも明らかになり、組織レベルで介護リーダーの育成を考える必要があることが確認できた。
研究成果の活用・提供予定
- 本学介護福祉コースの教育に活用予定
- 介護リーダー養成研修プログラムの再開発を行うとともに、各組織(現場)でチーム育成(OJT)を行える研修教材の開発を行う。
研究成果物
介護福祉学の構築に関する研究
研究代表者氏名
社会福祉学部 教授 中島健一
研究課題
介護福祉学の構築に関する研究
研究結果の概要
2カ年研究の1年目として、介護福祉学に向けた介護の専門性を検討するために、介護の本来業務である生活支援の定義を明確にすることを目的に、「生活」に関するフォーカス・グループ・インタビューを実施し、質的データを収集した。データは、KJ法的手法により分析し、目的なくのんびりした時間を過ごす等の従来は重視されてこなかった生活の構成要素も抽出された。
また、介護教員に対する介護の専門性に関するアンケート調査も実施した。
研究成果の活用・提供予定
抽出された生活・生活支援の構成要素の結果を基に、生活・生活支援に関する量的データを収集するために、アンケート調査を実施する。
介護の専門性に関するアンケート調査の分析を進めると共に、対象を介護教員以外に広げて比較検討を行う。
平成22年度
効果の上がる福祉プログラム構築のためのモニタリングシステムの開発~退院促進支援事業と就労移行支援事業に対するアウトカムモニタリング尺度の作成を通して~
研究代表者氏名
社会福祉学部 教授 大島巌
研究課題
効果の上がる福祉プログラム構築のためのモニタリングシステムの開発~退院促進支援事業と就労移行支援事業に対するアウトカムモニタリング尺度の作成を通して~
研究結果の概要
本研究の目的である効果的な社会福祉プログラムモデル構築のためには、効率的かつ実用的なシステム開発が求められる。このためには、実践現場と研究者の協働により、アウトカムの重要性に対する認識を高める必要があった。
まず、アウトカム指標の同定や測定方法等は、プログラムによって大きく変化することが示された。特に、通常業務内では測定できない指標がアウトカムと想定される場合、プログラムゴールとアウトカムについての合意形成を行う必要がある。これらを共有した上で、アウトカムモニタリング尺度を同定し、実践に適用する。本研究の結果、アウトカムモニタリングシステムを活用することにより、業務目的が明確化され、プログラムゴールに向けた意識も改善されることが示された。 アウトカムモニタリングシステムの開発手順を標準化し、効果的な福祉プログラムの構築を可能とする共通基盤が整備することが今後の課題である。
研究成果の活用・提供予定
本研究の成果は、平成23年度の「日本社会事業大学研究紀要」 にて分析・考察を加え、詳細を公表する予定としている。また、退院促進支援事業および就労移行支援事業については、すでに構築されたアウトカムモニタリングの再修正を行ったシステムを基に、再度、実践現場での活用を視野に入れた最終確認を行う。現段階では、退院促進支援事業のアウトカムモニタリングシステムには大きな変更の必要はないとされており、実践家への適用が可能であると考えられる。就労移行支援事業の場合、アウトカム指標と測定可能な指標のズレがあり、実践家との協働による検討結果を明確にした上で、再修正を行う必要がある。いずれの事業についても、より深い検討を「 日本社会事業大学研究紀要」 に示す。
ニーズの多様化に対応できる指導的介護福祉士の養成の在り方に関する研究~介護リーダーの業務・役割に関する実態調査~
研究代表者氏名
実習教育研究・研修センター 准教授 松井奈美
研究課題
ニーズの多様化に対応できる指導的介護福祉士の養成の在り方に関する研究~介護リーダーの業務・役割に関する実態調査~
研究結果の概要
現場の介護リーダーの経験年数が比較的浅いこと、介護リーダーが必要と考える技能は、(1)問題解決にむけた行動力、(2)コミュニケーション力、(3)スーパービジョン力、の順番であったこと、ストレスを感じる業務が(1)職員間の人間関係、(2)職員の指導・教育、(3)シフト管理と対職員が優位であったことなどが明らかになった。
どのような技能を持ち合わせれば資質の高い介護リーダーといえるかは明確にならなかったが、介護リーダー自身が自分の心身の負担軽減を意識化することや予防的な視点でチームをアセスメントし、予防的な視点で問題解決することの重要性、すなわちメゾ的視点・マゾ的視点をもってリスクマネジメントしていくことの必要性などを確認することができた。
研究成果の活用・提供予定
研究結果から明らかになった介護リーダーの実態を踏まえ、介護リーダーが自身のストレス及びチームメンバーのストレスを管理する力を養うことや予防的な視点で問題と向き合うことを可能にする研修プログラムの模索に役立てる。
具体的には研究成果を踏まえた研修プログラムを作成し、現場の介護リーダー実践者に受講してもらい研修が実践に与えた影響を考察する。 研修プログラムの目的は、研究成果を概観したうえで設定する。つまり研究成果は、介護リーダーに対して「視野拡大」「行動変容」を促す要素が包含される研修プログラムの企画・実施に活用する予定である。
介護・福祉人材の研修及び研修システムの在り方に関する研究
研究代表者氏名
社会福祉学研究科 特任教授 大橋謙策
研究課題
介護・福祉人材の研修及び研修システムの在り方に関する研究
研究結果の概要
第1篇ではまず、社会保障の中核的資格制度である医師、歯科医師、看護師、薬剤師の資格制度、養成の現状及び課題について整理した上でこれとの比較で社会福祉士・介護福祉士の両資格制度の特徴や現状の問題点を整理した。(第1章~第5章)その上で社会福祉士・介護福祉士制度の現状を踏まえてそれぞれの資格制度の定着、大学における資格制度と教育システムとの関係、日本社会事業大学の果たすべき役割についての政策的課題を整理し、具体的な改善策について提言を行った。(第6章~第9章)
第2篇では、社会福祉士に求められる専門性とその担保のあり方を、現状の研修体制や認定/認定専門社会福祉士のシステム案の視点から整理し、社会福祉士の養成・現任者研修システムの課題と改善案を提示した。
研究成果の活用・提供予定
行政や福祉系大学等における資格制度の在り方に関する議論の参考に供するため、関係機関に報告書を配布した。