福祉教育教授技法・教材研究開発事業(令和3年度)
研究代表者
上村 勇夫
研究課題
ソーシャルワーク実習教育における実習生に必要なキー・コンピテンシーの明確化
研究結果の概要
実習教育の経験豊富な実習指導者6名に対する個別インタビュー調査を実施し、質的分析を行った結果、以下の点が明らかになった。
キー・コンピテンシーとしての「見立て」の重要性
- わからないことを想像して見立てる。プロ同様、実習生も自分なりに見立てをすることが重要
見立てをする際の「価値・行動規範・知識」
- 【役割・ポジショニング】
- 【向き合う、知ろうとする】
- 【緊急性、生命の確保】
- 【ありのまま受け止める】
- 【関係形成、維持、人と人との相互作用】
- 【専門職として意図的であり、自分の支援を説明できる必要性】
- 【個別性の重視】
- 【役割・ポジショニング】
- 【チームアプローチ・連携のあり方】
- 【制度のとらえ方】
見立ての方法
- 疑問を感じる
- これが出発点
- ちょっとしたことから
- 鵜呑みにしない
- 仮説を考える
- わからない状況で想像する必要性
- 間違っていてもいい
- 検証する(質問・言語化など)
- 想定外、失敗、再検討、修正もある
- 揺れる・迷い・困ることもある
- 気づきを生かす
- 知識の使い方
上記の要素により、申請者の実践仮説「4K+1K」(※)が強化されたことが成果としてあげられる。この効果として、実習に臨む学生により明確にキー・コンピテンシーを伝えることができると考えられる。
※①感じる(疑問形式)、②仮説を考える、③検証する、④気付きを共有する +価値・行動規範・Knowledge)
研究成果の活用・提供予定
- 日本社会福祉学会 第70回秋季大会(2022年10月15日(土)~16日(日))において発表予定。
- ワークブック形式での書籍化も視野に入れている。