お知らせ 2024年度(令和6年度)学位授与式を挙行しました 2025.03.24

2025314()、本学清瀬キャンパスにて2024年度(令和6年度)学位授与式を挙行しました。

社会福祉学部・大学院社会福祉学研究科・大学院福祉マネジメント研究科の卒業生・修了生が、日本社会事業大学での学びや経験を胸に巣立っていきました。新たな門出を迎える卒業生・修了生の今後のご活躍を教職員一同願っています。

式辞(横山彰学長)

大学院 社会福祉学研究科 博士前期課程 学位記授与

大学院 福祉マネジメント研究科 専門職学位課程 学位記授与

社会福祉学部 福祉計画学科 学位記授与

社会福祉学部 福祉援助学科 学位記授与

理事長挨拶(名取はにわ理事長)

来賓祝辞(厚生労働省 社会・援護局長 公務のため 福祉基盤課長 田中規倫様代読)

来賓祝辞(清瀬市長 澁谷桂司様)

来賓祝辞(同窓会会長 武田幹雄様)

送辞 在学生代表

送辞

答辞 大学院社会福祉学研究科

答辞 大学院福祉マネジメント研究科

送辞

答辞 社会福祉学部

校歌斉唱 菩提樹(混声合唱団)

校歌斉唱 マンドリンアンサンブル


学長式辞

 夢と希望で胸を熱くし、使命感を持って、日本社会事業大学社会福祉学部、大学院社会福祉学研究科、ならびに大学院福祉マネジメント研究科を旅立つ皆様、誠におめでとうございます。心より、お祝いを申し上げます。

 また、皆様をこれまで励まし支えてくださったご家族ご関係の皆様方にも、心よりのお祝いと感謝を申し上げます。

 学位記を授与する晴れの式典を、本講堂にて皆様にお集りいただいて、執り行うことができますことは、私たち教職員一同にとりまして大きな慶びです。

 私たちが祝賀式典を行っております今も、昨年の正月に発生した能登半島地震の被災地では、9月に記録的な豪雨に見舞われ、二重の被害による痛手がいまだ癒えていません。さらに、14年前の東日本大震災で被災した岩手県大船渡市では、先月末からの山林火災により、再び被害を受けた方々もいます。ここで、皆様とともに、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。

 このような状況におきまして、ご多用にもかかわらず、皆様の旅立ちに際し、厚生労働省 社会・援護局長 日原知己様の代理でご出席の福祉基盤課長の田中規倫様、清瀬市長 澁谷桂司様、本学同窓会 会長 竹田幹雄様、はじめ多くのご来賓の皆様方に、御足をお運びいただいております。ご列席下さいました皆様方には、日頃から本学の運営に多大なご支援を賜っておりますことに感謝を捧げつつ、厚く御礼を申し上げる次第でございます。

 そもそも、ヨーロッパでの大学の誕生をみますと、大学は特定分野の職業人や専門家を教育する養成機関として誕生しました。イギリスの福祉国家建設に大きな役割を果たしたソーシャルポリシーの大家であると同時に、ソーシャル・アドミニストレーションや社会福祉の代表的な研究者であるリチャード・ティトマスの書物Commitment to Welfare(1968年)を見てみますと、この本は本学第5代学長の三浦文夫先生が監訳し『社会福祉と社会保障:新しい福祉をめざして』(1971年)という書名で出版されていますが、次のように記述されています。

 「ヨーロッパの最古の大学であるイタリアのザレルノ大学は医学のために開校され、イギリスでは1316年に君主に奉仕する『書記官』を養成するという特別の目的で、ケンブリッジ大学が開設されました。・・・第2次大戦までは、オックスフォードにしろケンブリッジにしろ、イギリス帝国の行政・運営に従事する人々の職業訓練をおもな任務としていたのである。・・・大学は社会からかけはなれたものでもなく、あるいはその時代のニードにまったく無関心であったわけではない。中世紀の大学の機能は、その社会にふさわしく極端にまで専門化されたサービスを行なう人間を養成することであった。」

 この点でいえば、本学は、ヨーロッパの大学と同じく、第2次大戦後の日本の社会にふさわしく極端にまで専門化されたサービスすなわち福祉に係るサービスを行う人間を養成すべく創立されました。この専門化された福祉に係るサービスを行う人間は、ソーシャルポリシーとソーシャルワークを担う人材に他ならないのです。ソーシャルポリシーとソーシャルワークに求められる内容は、日本においても時の流れや社会の変化とともに変わってきていますが、本学が「指導的な社会福祉人材」すなわち「福祉のリーダー」を養成することを目的とし、「広く社会福祉増進に直接寄与することを使命とする」ことは、全く揺るぎのないものです。

 カリフォルニア大学ロサンゼルス校の高等教育研究所のSocial Change Model(1996年)に基づけば、リーダーとは、他者や地域社会、そして社会全体の向上のために より良い方向への変革を実現できる人ですので、「福祉のリーダー」は、福祉の理論と実践を連携させて、他者や地域社会、そして社会全体の向上のために より良い方向への変革を実現できる人になります。

 本日、学位記を手になさる皆様は、本学での学びによって、福祉を通して、「他者や地域社会、そして社会全体の向上のために より良い方向への変革を実現できる」リーダーとしての能力を高めてきました。このリーダーの能力には、「成熟した人間力」が不可欠であり、別の言葉でいえば、「複眼的思考力」と「境界連結者として異なる世界をつなぐ力」と「柔軟でしなやかな力」が不可欠であり、皆様は本学での福祉の理論と実践の連携学習を通じて、これらの力を高めてきたのです。

 インド生まれの宗教的哲人であるジッドゥ・クリシュナムルティのいうように、「あなたは、あなたが過去の産物であり、あなた自身の創造の結果だということを理解しなければならない。あなたは自分が過去に種を蒔いたものを自ら発芽させているのだ。そして人は過去の産物であると同様、今日の行動によって未来をコントロールすることもできるのである。明日は今日に依存している。ゆえに今日が明日を決定するのだ。未来をコントロールすることによって、あなたは未来の主人になる。」

 皆様は、本学の学部卒業後・大学院修了後にも、日々、未来のご自分を創造するだけではなく、未来の他者や地域社会や社会全体をより良い方向に変革していく力を高めていくことになります。「福祉のリーダー」であることを自覚し、自分自身を含めた人間の福祉、地域社会の福祉、日本の福祉、世界の福祉をさらなる高みへ導き、より良い社会の実現に向け必要な変革をもたらすべく邁進して欲しいと願っております。

 そして、皆様がそれぞれの社会福祉関連分野で、「未来を灯し紡ぐ人」になり、福祉のリーダーとしてご活躍なさることを切に願い、式辞といたします。

令和7年(2025年)3月14日

日本社会事業大学

学長 横山 彰


理事長挨拶

 本日はここに年度末の多忙な時期にもかかわらず、ご来賓の厚生労働省社会・援護局日原局長の代理として田中 規倫福祉基盤課長、澁谷桂司清瀬市長、本学同窓会竹田幹雄会長他多数のご来賓にご臨席を賜り、令和6年度の学位授与式を開催できますことを深く感謝申し上げます。

 学位授与式にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

 只今、横山学長から、日本社会事業大学の学位記を授与された総勢224名の皆さま、誠におめでとうございます。皆様のご努力の証として、学位記が授与されましたことを、心からお慶び申し上げます。楽しい時も苦しい時も皆様を見守り、励まし続けてこられた保護者の方々にも、心からお祝いを申し上げます。

 本学を卒業され皆様がこれから向かわれる社会は、様々な分断の危機にあり、私達の想像を超える大きな転換期にあります。それに加えて、世界各地で戦争や紛争が継続し、多くの人々が困難な状況に置かれています。

 2015年、国連が提唱し、日本政府を含めた193か国が賛同したSDGs(持続可能な開発目標)は、人類を存続させるためのもので、後5年で目標の達成期限である2030年を迎えます。日本の外務省仮訳では、SDGsは「誰一人取り残さない社会」を目指すとありますが、原文は違います。原文を逐語訳すれば「我々は誰一人取り残されないことを誓う。」とあります。私達は「誰一人取り残さない」と誓うのか、あるいは、「誰一人取り残されない」と誓うのかその違いは何でしょうか?外務省仮訳は「誰も取り残さない」と行為者の視点ですが、原文は、行為者でなく受け手の視点に立った文章です。

「誰一人取り残されないことを誓う」

これは、社会福祉を目指すものにとりまして、とても重要なことだと思います。SDGsでは17の目標を掲げており、最初の5つの目標は特に大事です。第1目標は貧困、第2は飢餓、第3は健康と福祉、第4は教育、第5はジェンダー平等です。これらの目標を達成する方法について、皆様は本学で学んでこられました。常に弱者に心を寄せ、社会福祉の実践体験を通して、勉学と研究に励んでこられた皆様は、今後、大きな力を発揮してくださるでしょう。皆様には、「誰一人取り残されない社会」を目指して、それぞれの分野で、能力を発揮していただきたいと思います。志が高く、かけがえのない資質を備えた皆様を本日社会に送り出すことができますことは、私たちの大きな喜びであり、誇りです。

 最後に皆様に一言申し上げたいことがあります。

 現代社会は高速で変化しています。今日まで学んだことだけで、これから一生足りることはありません。皆様が、新たに学びたくなった時には、いつでも帰ってきてください。私たちは大きく門戸を開いて皆様をお迎えする用意があります。

 皆様のご健康と多くの幸せを心より願っています。

 改めて、卒業生並びに修了生の皆様にお祝いを申し上げて、わたくしの挨拶といたします。

令和7年(2025年)3月14日

      学校法人日本社会事業大学

理事長 名取 はにわ


卒業式番外編

令和6年度卒業式は、新たな門出をお祝いするPhotoスポットをA棟ロビーと個別学位記授与会場の教室にご用意しました。
また学生広報プロジェクトによる卒業記念企画では、卒業生の皆さんに「社大で一番の思い出」「〇〇へのメッセージ」をホワイトボードに書いていただいたものをInstagramに投稿!企画に参加していただいた卒業生には教職員からのお祝いメッセージカードをお贈りしました。

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