お知らせ
2025年度(令和7年度)入学式を挙行しました
2025.04.07
2025年4月4日(金)、本学清瀬キャンパスにて2025年度(令和7年度)入学式を挙行しました。
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。また、保護者、ご家族の皆様に、心からお祝いを申し上げます。
式辞(横山彰学長)
理事長挨拶(名取はにわ理事長)
来賓祝辞(厚生労働省 社会・援護局長 日原知己様)
来賓祝辞(清瀬市長 澁谷桂司様 公務のため代読 副市長 今村広司様)
来賓祝辞(社会福祉法人恩賜財団済生会理事長 炭谷茂様)
来賓祝辞(同窓会副会長 武居敏様)
教育後援会会長 中川幸代様からも激励のメッセージをいただきました。
在校生代表挨拶
教員紹介
式典終了後、社会福祉学部教員が一人ずつ自己紹介をしました
校歌斉唱 菩提樹(混声合唱団)
教員紹介
校歌斉唱 マンドリンアンサンブル
教員紹介
学長式辞
夢と希望を胸に、日本社会事業大学社会福祉学部、大学院社会福祉学研究科、ならびに大学院福祉マネジメント研究科にご入学されました皆様、誠におめでとうございます。また、ご家族ご関係の皆様方にも、心よりお祝いを申し上げます。皆様のご入学を祝うこの晴れの日に、皆様ご自身はもとより、ご家族をはじめ多くの方々にご参集いただき、本学講堂にて入学式を執り行えますことを、心より嬉しく存じます。
一方で、昨年の能登半島における地震や記録的豪雨、さらには本年、岩手県大船渡市で発生した山林火災などにより、大きな被害を受けられた方々がいらっしゃいます。ここに、皆様とともに、被災された方々へ心よりお見舞いを申し上げます。
現在、超少子高齢化と人口減少が加速するなかで、社会的孤立や経済的格差の深刻化、さらにはDXや生成AIの進展など、社会経済の情勢は大きく変化しております。そのような時代において、社会福祉の分野でのご活躍を志す、心温かき皆様を本学にお迎えできることは、私たちにとってこの上ない慶びであります。私ども教職員一同は、社会福祉・ソーシャルワークのリーダーとして福祉の最前線でご活躍なさっている同窓会ならびに卒業生・修了生の皆様方のお力添えをいただきながら、入学生お一人お一人が本学で大きく成長されるよう、最善の努力を尽くしてまいります。
日頃から本学の教育研究に限りないご支援を賜っております、厚生労働省社会・援護局長 日原知己様、清瀬市長 澁谷桂司様の代理でご出席の副市長 今村広司様、社会福祉法人恩賜財団済生会理事長 炭谷茂様、本学同窓会副会長 武居敏様はじめ多くのご来賓の皆様方には、年度初めのご多用の中、ご列席を賜りましたことに、厚く御礼を申し上げる次第でございます。
入学の皆様には、学部・大学院の標準修学年限があります。学部は4年、研究大学院博士後期課程3年、博士前期課程2年、専門職大学院1年ですが、この時間がもつ意味や濃密さは皆様お一人お一人で違いがあります。ミヒャエル・エンデの童話『モモ』(邦訳 1976年)には、時間について次のような一節があります。
「時間をはかるにはカレンダーや時計がありますが、はかってみたところであまり意味はありません。というのは、だれでも知っているとおり、その時間にどんなことがあったかによって、わずか一時間でも永遠の長さに感じられることもあれば、ぎゃくにほんの一瞬と思えることもあるからです。なぜなら、時間とはすなわち生活だからです。そして人間の生きる生活は、その人の心の中にあるからです。」
この時間の捉え方には、フランスの哲学者アンリ・ベルグソンが提唱した「純粋持続」という主観的時間の概念と通じる側面が認められます。ベルグソンにおいて、時間とは単なる物理的・数量的な尺度ではなく、個々人の意識の中で連続的かつ質的に流れていく、生の経験そのものであると理解されています。このような視点に立つならば、現代社会における時間とは、単に効率や生産性を追求するための手段ではなく、自己の生き方や価値観を映し出す、きわめて本質的な問題として捉えられるべきでしょう。本学に入学される皆様におかれましては、これからの学生生活を、このような「主観的に豊かな時間」として、意識的に積み重ねていただきたく存じます。学業に真摯に取り組むとともに、課外活動や社会貢献の機会にも積極的に関わることで、有意義で実りある大学生活を築かれることを心より願っております。
社会福祉の世界は、単に専門的な知識や技術の修得にとどまるものではありません。その本質には、人間一人一人が日々の暮らしの中で、他者と関わり合いながら生きていくという、極めて根源的な営みが息づいています。それは、他者の声に耳を傾け、共に時間を過ごし、その存在に心を寄せるという、人と人との丁寧な関係性に根ざした世界です。私たちは常に、他者の存在を前提として生活しています。人は一人で生きることはできず、また、自らの思いや行動が他者に影響を与えると同時に、他者の感情やふるまいが自分の生活にも深く関わってきます。私たちはそのような相互依存の関係の中で生を営んでいるのです。したがって、どのような社会においても、私たちは他者が何を感じ、何を思い、何を求め、何に耐えているのかに思いを巡らせながら、共に生きていくことが求められます。
本学に入学された皆様も、これから多くの他者と出会い、ともに学び、語り合い、協力し合うなかで、自らの内面を見つめ直し、新たな自己を形成していくことになるでしょう。そのような日々の積み重ねこそが、人間としての成長へとつながっていきます。本学を含め大学は、多様な他者と出会い対話を重ねることのできる場です。そこでは、人生をともに歩む友人や支え合うパートナー、励まし合える仲間や先輩・後輩、学びの導き手となる教員・職員に加え、異文化や地域との交流を通じて出会う人々ともつながることができます。
皆様が本学での出会いを通じて、豊かで実りある歩みを進められるとともに、厳しさを増す日本社会の中で、生きづらさを抱える人々と真心をもって向き合い、共に生きる志を育まれることを願っております。そして、皆様が本学において互いに学び合い、大きく成長され、やがては「未来を灯し、紡ぐ人」になって、そのお力を存分に発揮されることを、心より祈念申し上げ、私の式辞といたします。
令和7年(2025年)4月4日
日本社会事業大学
学長 横山彰
理事長挨拶
本日はここに、年度当初のご多忙な時期にもかかわらず、厚生労働省社会・援護局 日原 知己局長をはじめとする多数のご来賓の方々にご臨席をいただき、令和7年度の入学式を開催できますことを心から感謝申し上げます。
入学式にあたり、一言ご挨拶申し上げます。
新入生の皆様、日本社会事業大学にご入学、おめでとうございます。保護者の皆様にも御礼とお祝いを申し上げます。
本学は、まだ「社会福祉」という言葉が知られていなかった昭和21年、1946年に誕生しました。当時の日本は、太平洋戦争敗戦後の混乱期で、戦勝国米国の支配下にありました。食料、衣類、住むところ何もかもが不足していました。このような状況下、社会救済のために、ソーシャルワークの専門教育機関として本学が誕生した意義は、誠に大きいものでした。
それから79年経たった今日、解決するのが難しい様々な問題が生じているのはご承知の通りです。こうした中、福祉のリーダーを養成することが求められている本学の使命は、ますます重くなってきています。
本学の校歌には「社会の福祉誰(た)が任ぞ忘我の愛と智の灯し(ともし)」とあります。
「忘我の愛」とは何ということでしょう。人は誰でも自分を中心に、まず自分を先にと考えがちなものです。ですが、みんなが自分の利益のみを追求したら、人々は、ぎすぎすと疑心暗鬼になり、不幸になるばかりです。だから、現実には、私たちは、自分のことだけでなく、人のことも大事に考えて生活しています。これを1歩も2歩も前に進めて、「忘我の愛」すなわち、われを忘れて人を愛せというのです。福祉を志す皆様は、この言葉を深く心に刻んでください。
では、どうすれば実現できるでしょうか?
「人を先に自分を後に考える。」
私にこのことを教えて下さったのは20世紀の大数学者 岡 潔 先生です。私は今から半世紀前の20歳の時、奈良にある岡先生のご自宅に行き、先生から直に教えていただきました。
「あなたの友人が悲しめば、悲しくなり、その人が喜べば、あなたも自然にうれしくなる。このことをいつも心がけていれば、次第にできるようになるでしょう。意識することなく、自然にそうなれば、生きがいを感じるようになり、人生は深く、豊かなものになるでしょう。」と。長年心がけていますが、まだまだです。ですが、当時から見ればずいぶんと人生が豊かになったような気がします。
皆様が本学を選んでよかったと思っていただけるように、教職員一同皆様の学生生活を支えてまいります。及ばずながら私も、明日、学部の皆様に授業をする予定で、とても楽しみにしています。入学された皆様方が、かけがえのない1日1日を、健やかに過ごしてくださいますことを願っています。
最後にご来賓や保護者の皆様のご健勝とご多幸をお祈りいたしまして、私のご挨拶とさせていただきます。
令和7年(2025年)4月4日
日本社会事業大学
理事長 名取はにわ
入学式番外編
令和7年度入学式でも、新入生をお迎えするPhotoスポットをA棟ロビーにご用意しました。
また学生広報プロジェクトによる入学式記念企画では、新入生の皆さんに「社大で楽しみなことは?」「学食で食べたいメニューは?」「出身地は?」といったアンケートをホワイトボードに投票する企画を実施。式典の様子や新入生の皆さんの様子を撮影してInstagramに投稿しました!