SOCIAL WORKER REAL
漠然とした不安を抱える患者さまとそのご家族を支援していくこと
中村 優美恵 さん
公益社団法人地域医療振興協会 台東区立台東病院・台東区立老人保健施設千束 勤務(東京都)
2015年 福祉援助学科 保健福祉コース 卒業
- 取得している資格
社会福祉士
家族の苦労を目の前にし医療ソーシャルワーカーの道へ
病院と介護老人保健施設が併設された施設で、医療ソーシャルワーカーとして働いています。現在は、病院の療養病棟における入院相談から退院支援までを行いながら、外来の患者さまへの対応や介護老人保健施設への入所相談などを担当しています。医療ソーシャルワーカーを目指すきっかけは、高校生の時のこと。祖父が入院を繰り返す中、祖母や母が苦労をしている姿を目にしたことです。自分ではどうしたらいいのかも分からず漠然とした不安を抱える患者さまと、その患者さまのために奔走するご家族の力になれる仕事に就きたいと思いました。
人に悩み 人に励まされるのが私たちの仕事
私たち医療ソーシャルワーカーは、初対面の方に家族構成、病歴、経済状況、困っていることといった、個人的な事柄をお聞きする必要があります。そのため、患者さまやご家族と短時間で信頼関係を築かなければなりません。より良い支援のためにコミュニケーション能力の向上は、常に必須だと実感しています。また、他人の人生に関わることへのプレッシャーは想像以上に大きいものです。さまざまなやりとりの中で苦労を感じることは多々ありますが、自身の励みになるのもまた、人からの「ありがとう」といった感謝の言葉です。
あなたに相談して良かった そう思ってもらえる人でありたい
福祉の世界では、どのケースをとっても一つとして同じものはありませんし、何をすれば正解ということもありません。どうしたらよいのかを患者さまやそのご家族とともに考え「あなたに相談して良かった」と思っていただける医療ソーシャルワーカーになるために、一層の努力が必要だと感じています。そういった中で、日本社会事業大学で共に学び、さまざまな分野で活躍している仲間からは、自分とは異なる視点で新しい気づきやアドバイスをもらうことも多く、とても励まされています。悩みを共有できる心強い存在が身近にいることは、私にとっての財産です。
※掲載内容は取材当時のものです。