SOCIAL WORKER REAL
信頼関係の構築と他機関との連携で一人ひとりの人生を支援していくこと
紺野 優 さん
板橋区役所 福祉部 赤塚福祉事務所 勤務(東京都)
2016年 福祉計画学科 福祉経営コース卒業
- 取得している資格
社会福祉士
生活上の困難を抱えた人に自立の道を開いていく
大学1年生のときから携わっていた、生活保護受給者と関わりがあるアルバイト。3年次では福祉事務所での実習。これらの経験から生活保護分野に携わる機会に興味を持ち、生活保護のケースワーカーを志望しました。現在は、担当地区で生活保護を申請された方に対し、調査に基づいた保護の決定をはじめ、必要な保護費の算出や窓口での生活相談など、被保護者の生活へ多岐に渡ってアプローチする仕事をしています。また、生活状況と課題を把握することにより、生活上の困難を抱えた方々に対し、適切な支援サービス等につなぐなど、少しでもその方が自立へ向かえるように支援を行っています。
生活保護は最後のセーフティーネット
業務の中で特に大切にしていることは「信頼関係の構築」と「他機関との連携」です。ある日、生活の見守りがなく誰にも助けを求められなかった高齢者が、もう少し発見が遅ければ命を落としていたかもしれない事例に関わりました。それまでの自分は、何事も一人で抱え込みがちでしたが、この事例では他機関の方々からのアドバイスや連携を図ることにより、より良い支援につなげることができました。今では他の生活保護受給者に対しても、さまざまな機関が持つノウハウを活用し、支援の幅を広げていくよう努めています。また生活保護は最後のセーフティーネットと呼ばれており、その役割の多くをケースワーカーが担っています。この事例は生活保護受給者が誰にも頼ることができなかったことが原因でした。セーフティーネットとしての機能を発揮するためには、より良い信頼関係を築くことが不可欠です。そのため、日頃から、より話しやすく相談しやすい雰囲気づくりを意識しています。
大学時代だからこそさまざまなチャレンジを
日本社会事業大学の魅力は、日本の福祉政策に関わっている先生方が数多く在籍していることです。また、座学はもちろん、さまざまな社会資源に触れる機会も多いです。学生時代に実際に見聞きしたことで「このケースの場合は、どの機関に相談・利用すれば良い」などという判断や見極めがケースワークに役立っています。また、大学生だからこそ友達と遊んだり、旅行に行ったり、サークルに没頭することも大切にしてほしいです。それは福祉だけにとどまらない多種多様な経験が、実際の受給者との関わりで役立つと感じるからです。貴重な学生時代だからこそ、人間としても成長できるよう、さまざまなことにチャレンジして有意義に過ごして欲しいです。
※掲載内容は取材当時のものです。