SOCIAL WORKER REAL
一人ひとりの自立を支援しながら地域社会の課題解決力を地域とともに高めていく
福島 弘二 さん
横浜市健康福祉局 生活福祉部 生活支援課 勤務(横浜市)
2006年 福祉援助学科 介護福祉コース卒業
- 取得している資格
社会福祉士、介護福祉士、高等学校教諭1種免許状(福祉)
本人の課題解決力を引き出すことの重要性
さまざまな事情で経済的な悩みを抱える方が、自立に向かっていけるよう支援する「生活困窮者自立支援制度」に基づき、横浜市の社会福祉職として事業の企画・運営、取りまとめなどに携わっています。2015年4月から施行されたこの制度は、それまでの制度では支援の対象にならなかった方のために生まれたものです。しかし、"生活困窮=生活保護"といった誤った解釈をされることが多いのも事実です。そのため、生活に困窮する方をいかに相談窓口につなげていくか。そして、課題を解決するための支援だけではなく、地域で暮らしていく方自身が課題を解決できる力も身につけられるための支援を考えていくことも重要だと考えています。
支援を循環させることで地域の力の底上げを
今後、生活困窮者支援のニーズは高まっていくと予想されます。その中で、支援を必要としていても自ら声を上げることができない方や潜在的なニーズをキャッチするとともに、就労の場や社会参加の場を身近な地域の中に見出すことも大切となります。個々の支援により支援者間のチームワーク、住民主体の支えあい活動を循環させ、そのことで個々の支援の質を高めていく。このサイクルを創出することで、地域とともに課題を解決する支援の輪ができます。その実現に向けて、地域の中に入って地域の実情を知りながら、積極的に情報を発信する必要性を感じています。プレッシャーは感じますが、この制度をどう打ち出していくかを考えられることは大きなやりがいとなっています。
可能性は狭めるものではなく 広げるもの
私のように介護福祉コース出身の場合、高齢者介護や障がい者の施設に勤めるケースが多いです。しかし、福祉の仕事にはさまざまな分野があります。私の場合は、教職課程を履修することで学科の垣根を越えて交流する機会に恵まれ、新しい道があることに気づかされました。また、「人が自立できるよう支援したい」という思いは、介護福祉の考え方がベース。日本社会事業大学での学びの全てが、今の自分を支えています。視野を狭めることなく、幅広い可能性を考えながら学んでほしい。心からそう願っています。
※掲載内容は取材当時のものです。