SOCIAL WORKER REAL
時代とともに変化しながらより良い地域社会の実現を支援していくこと
志村 宏祐 さん
社会福祉法人全国社会福祉協議会 勤務(東京都)
2014年 福祉計画学科 福祉経営コース 卒業
- 取得している資格
社会福祉士
全国の社会福祉協議会と連携し暮らしやすい地域づくりを
私が働く全国社会福祉協議会は、地域住民と協力して地域の悩みごとの解決を支援する1846の市区町村社会福祉協議会と、67の都道府県・指定都市社会福祉協議会をバックアップする組織です。業務は多岐に渡りますが、私の主な担当は、社会福祉協議会が都道府県ごとに実施する日常生活自立支援事業(認知症高齢者、知的障害者、精神障害者など判断能力が不十分な人の権利擁護を目的に、自立した地域生活が送れるよう、福祉サービスの利用援助を行うもの)における相談業務や、現場での実践に役立てられるような研修会の企画・運営、最新情報の発信などを行っています。社会福祉協議会をバックアップ・連携することで、最終的にその地域の住民が暮らしやすいまちづくりにつながります。また、ホームヘルパーの役割や専門性を社会に発信したり、住民やホームヘルパーにとってより良い制度となるよう国への提言などを行う「全国ホームヘルパー協議会」の運営も担っています。
地域共生社会の実現に向け私たちから変わっていく
これまで社会福祉協議会は、地域福祉のトップランナーとしての役割を担ってきました。しかし、地域共生社会の実現が求められている今、新たな担い手が増えつつあり、私たちの存在意義や役割を再度振り返る時期を迎えています。そのなかで忘れてはいけないことは、どのような支援があれば地域が良くなるか、常に住民の思いに寄り添って考えること。地域の住民が、ときには支えられ、ときには支える側に立ちながら課題の解決に取り組むことができる環境の構築のため、現場での声を収集することや、各関係機関と連携していくことの重要性を感じています。
現場の声を聞きながら社会に向けた情報発信を
福祉人材の不足が課題となっている今、関心を寄せていることは、ホームヘルパーの魅力をどのように社会に発信するかということです。私の立場でできることは、現場で働く皆さんの思いをお聞きし、それが正しく広く伝わるよう、表現することです。現場の人たちが熱い思いをこめて話している姿を思い返すと、この素晴らしい仕事を多くの人に正しく理解してもらいたいという気持ちになりますし、大きなやりがいにつながっています。福祉とひと言で言っても、一人ひとりが抱える課題も、価値観もそれぞれ異なります。大学在学中にできるだけ多くの人と議論しながら多様な価値観に触れて、自分の世界を広げてください。将来必ず役立つと思います。
※掲載内容は取材当時のものです。