SOCIAL WORKER REAL
地域の力を借りながら地域で暮らす全ての人に生きる喜びを
富田 千秋 さん
社会福祉法人清瀬市社会福祉協議会 勤務(東京都)
1996年 児童福祉学科 家族福祉コース 卒業
※卒業時の学科名を記載。現在の福祉援助学科になります
- 取得している資格
社会福祉士、精神保健福祉士、保育士
複雑にからむ価値観に触れながらより良い暮らしをともに考える
日本社会事業大学がある清瀬市の社会福祉協議会で、生活福祉資金の貸し付けや、住民懇談会の開催、地域の居場所づくりなどに携わっています。業務は多岐にわたりますが、共通して感じることは、人を理解する力の重要性です。例えば、生活福祉資金の貸し付けの相談に来られた方に、支援プランを提案しても受け入れられないことがあります。その根底には、プライドや他人が介入する不安がある場合もありますし、本人や家族、地域の価値観が複雑に絡んでいる場合もあります。本人が納得した上で、支援を選択していけるように寄り添っていくことには難しさを感じます。
生きづらさを感じる人への理解を広げていく
最近は、既存の制度の枠組みに当てはまらない「ボーダー層」について関心を寄せています。例えば、学校の授業が理解できなかったり、コミュニケーションがうまくできなかったりして、不登校になってしまうケースがあります。周囲からは、IQや知的能力に問題がないために「さぼっている」「家庭での養育が不十分」と思われるなど、理解されづらい状況にあるのです。そのため、そういった生きづらさを感じている方の「できないこと」「困りごと」に焦点を当ててしまいがちですが、持っている能力で社会に参加できる、ボランティアや地域の居場所づくりに力を入れて取り組み、地域での理解を促すよう活動しています。
経験や見聞きすることに 何ひとつ無駄はありません
今まで本人の持つ強みに光が当たらなかった人に、何か1つでも「やって良かった」と思える場を増やしたい。この思いが私にとっての原動力です。日本社会事業大学を卒業してから、精神障がいのある方の作業所、保育園での勤務を経て12年前に現職に着任しました。それぞれに経験したこと、見聞きしたことの全てが今につながっていますし、日常のあちらこちらで気づかされることもたくさんあります。日々の小さな営みを大切にしながら、よりたくさんのもの・ことを吸収してほしいです。
※掲載内容は取材当時のものです。