教員 × 院生対談
さまざまな分野のゼミ仲間が集まっているからこそ
自身の実践課題を伝える力が向上したことを実感
八重樫:私は地域の基幹相談支援センターで所長として勤務している中で、障がいのある方への支援を進めていくにあたり、その家族への対応について悩んでいました。そんな時に家族システム論に触れる機会があり、家族全体を捉えるアセスメントには実践だけでなく理論が必要だと実感し、スーパービジョンと家族支援をテーマに研究されていた木戸先生の元で学びたいと考えました。
木戸:八重樫さんははじめ、実践研究テーマとして人材育成と家族支援を掲げていましたが、履修1年目は研究課題が漠然としていて苦労しましたね。それでもゼミ生達とのディスカッションを通してこれまでの実践と理論の結びつけや言語化を進めた結果、実践研究テーマを見つけていきました。
八重樫:はい。ゼミの仲間は福祉のさまざまな分野から集まっていたので、自身の問題をどのように伝えたら伝わるのかを、木戸先生のご指摘をいただきながら言語化に取り組むことで、課題が整理され明確になっていくのを感じました。
木戸:課題意識があってこの専門職大学院を選んできているゼミ生たちが、それぞれが抱えている問題を言葉にし共有しないとゼミは進みません。みなさんは現場での経験があるからこそさまざまな相互作用が期待でき、学びを広げていけるのです。専門職大学院は、院生たちが仕事上で葛藤して悩んでいる課題について理論と実践を結びつけて次の展開に進むための場なので、それぞれがもつ実践経験が一番大切だと思います。自分の経験というものを理論にしっかり結びつけ、どう還元するか、どう言葉にしていくかということを学びたいと考えている人にぜひ来ていただきたいです。
八重樫:私はこれから今回の研究にご協力いただいた相談員の方々と、研究結果としてまとめた相談支援ガイドを共有していきたいという思いがあります。また、職場でスーパービジョンをしなくてはならない立場なので、この2年間で学ばせていただいた実践を理論に結びつけて説明する力を活かし、ただ経験則に従うのではなく理論に基づいて説明し、意味づけするということを心がけていきたいと思います。
八重樫 譲 さん(左)× 木戸 宜子 講師(右)
※インタビュー内容は取材当時のものです。