福祉計画学科

社会福祉サービスに関する制度・政策や経営を学び、共に生きる地域社会づくりへの貢献を目指す

法学、経済学、社会学、教育学などの社会諸科学を基礎とし、これからの社会福祉政策、福祉サービス事業の経営、地域福祉などを学び、さらに高齢者や若年層の孤立、生活困窮による社会からの排除など、現代の幅広い社会問題にアプローチします。社会福祉の各種専門職として、共に生きる地域社会づくりに貢献できる人材を育てます。

福祉計画学科のイメージ

学科INDEX

福祉経営コース

制度・政策や福祉経営の面から具体的な改善方策を立案する。

社会福祉に関わる制度の成り立ちや歴史を学ぶとともに、福祉サービスを必要とする人々に生じている問題について把握。その解決に向けて、法・経営・計画・政策の面から具体的な改善方策を考えます。

重要視されているテーマと向き合い時代のニーズに応える力を育む。

福祉計画の策定や施設のより良い経営、サービス利用者への情報提供、利用援助など、重要視されているテーマを学習。利用者の現状を分析し、時代のニーズに応えるシステムを構築・運営する力を育みます。

地域福祉コース

個別支援と地域支援の統合による地域福祉の推進方策を学ぶ。

地域生活を支えるための個別支援だけでなく、暮らしている環境に対する地域支援の具体的方策について学びを深めます。講義だけでなく、地域福祉の実践現場でのフィールドワークも豊富です。

多岐にわたる分野と連携し、あらゆる生活ニーズに向き合う。

保健・医療・教育・司法・労働など多分野との横断的連携が不可欠な地域福祉の現場。幅広い領域の学習を通して、制度の狭間のニーズにも向き合い、地域福祉を推進するリーダーを育成します。

学科長メッセージ

広い視野で生活課題の背景にある構造的な問題を理解し
解決策を立案し実行に移せるソーシャルワーカーへ。

地域福祉やコミュニティワークが直面する、差別や制度の「狭間」といった個人が抱える生活課題の背景には、社会の構造的な問題が存在しています。本学科ではそれらの社会問題を、メゾ(地域社会)・マクロ(日本社会)・グローバル(国際社会)というそれぞれのレベルで分析し理解を深めます。さらに問題の解決に向けて、福祉サービスや制度の運営や政策提言といった実践的な働きかけについて考えます。肝心なのは、多様な人々の生活様式や人生、将来の生きがいにまで考えを巡らせること。広い視野を持ち、構造を理解し、実践力を備えたソーシャルワーカーの育成を目指します。

ヴィラーグ ヴィクトル 福祉計画学科長/准教授

ヴィラーグ ヴィクトル
福祉計画学科長/准教授

教員一覧(福祉計画学科)

育成する人材像

  • 地域福祉を通して自分らしい暮らしをつくる人材
  • 福祉の視点で地域社会づくりを進める人材
  • 社会福祉法人や福祉系企業、NPOの経営に携わる人材
  • 福祉専門職の立場から福祉行政を担う人材
  • 学校や社会福祉協議会で福祉教育に携わる人材
  • バリアフリー環境の実現・開発に携わる人材

取得できる資格

主な職場・職種

4年間のカリキュラム概要

1・2年次では幅広い知識や技術を身につけ、3年次でコース(ゼミ)を選択、目標を絞る

社会福祉を体系的に学ぶ体制を確立しています。学生が社会福祉士国家試験受験資格を取得するとともに、精神保健福祉士国家試験受験資格や保育士など、ほかの資格の取得も含めて柔軟に学習を組み立てられるように配慮しています。社会福祉士となるための実習を行うので、3年次進級の際には一定の履修要件を課しています。3年次より選択したゼミによりコース登録を行い、コースに分かれて学びます。また、各コースには履修モデルを設け、目指す進路に合った履修指導を行っています。

※「介護福祉コース」及び「保育士課程」は福祉援助学科の学生のみ登録可。1年次に登録を行います。

4年間の学びの流れ

1年次 基礎を知る 2年次 専門を知る 3年次 実践する 4年次 仕上げる
まずは教養科目を中心に学び基礎を身につける。専門科目への導入として、少人数の演習形式の授業も1年次からスタート。 社会福祉の専門科目が増えるとともに、演習を通して実践的な知識・技術を身につける。目標を絞りコースを選択する。 各学科・コースの特長に基づき専門知識を深める。教員の専門テーマで選ぶ専門演習が必修に。履修モデルに合わせた実践的な実習を行う。 大学教育の総仕上げとして研究論文、実習報告書を作成。卒業後の進路計画を定め、社会福祉士国家試験に備える。

学部共通科目

  1年次 2年次 3年次 4年次
アカデミック・
プランニング
アカデミック・プランニングⅠ アカデミック・プランニングⅡ

一般教育
科目群

外国語科目(英語・ドイツ語・フランス語・中国語・日本手話・アメリカ手話)
教養科目(社会の認識と国際理解・人間の知性と感性の認識・科学的思考と自然の認識)
教養基礎演習(社会の認識と国際理解・人間の知性と感性の認識・科学的思考と自然の認識)
健康スポーツ/健康科学/情報科学

社会福祉士
国家試験
指定科目

講義

心理学/社会学と社会システム/社会福祉原論Ⅰ/ソーシャルワークの基礎と専門職Ⅰ/ソーシャルワークの基礎と専門職Ⅱ/ソーシャルワークの理論と方法Ⅰ/地域福祉論Ⅰ/法学(権利擁護を支える法制度) 医学概論/社会福祉調査の基礎Ⅰ/ソーシャルワークの理論と方法Ⅱ/ソーシャルワークの理論と方法Ⅲ/地域福祉論Ⅱ/社会保障論Ⅰ/高齢者福祉論/障害者福祉論Ⅰ/子ども家庭福祉論Ⅰ/保健医療と福祉 社会保障論Ⅱ
貧困に対する支援
刑事司法と福祉
社会福祉原論Ⅱ
ソーシャルワークの理論と方法Ⅳ
福祉サービスの組織と経営
演習 ソーシャルワーク演習Ⅰ
ソーシャルワーク演習Ⅱ
ソーシャルワーク実習指導Ⅰ
ソーシャルワーク演習Ⅲ
ソーシャルワーク実習指導Ⅱ
実習 ソーシャルワーク実習Ⅰ
(60時間以上の基礎的実習)
ソーシャルワーク実習Ⅱ
(180時間以上の包括的実習)
専門演習
(ゼミナール)
各教員の専門演習(ゼミナール)
卒業研究

卒業研究
[1]論文
[2]実習・報告書
[3]調査・報告書

※[1][2][3]のいずれかを選択

学部共通科目の詳細

アカデミック・プランニング

「e-ラーニング・ポートフォリオ」を用いて、学生が学習や実習、学生生活、就職活動に関する「目標」や「計画」などを記録し、プランを立てることで4年間を実りあるものにします。

約10人の学生に対し1人の割合で専任教員がアドバイザーとなり、より充実した大学生活を送れるようにサポートします。

一般教育科目群

人文科学・社会科学・自然科学の基礎に関する科目を設置し、幅広い教養の修得を通して、人格の形成と豊かな教養を身につけます。

1年次には基礎的な学習から福祉専門職への導入として、少人数の演習形式「教養基礎演習」があります。

社会福祉士国家試験指定科目

ソーシャルワーカーになるために必須とされる資格「社会福祉士」国家試験受験資格を得るため、1年次からカリキュラムが組まれ、ソーシャルワーク実習を行います。

実際のソーシャルワークなどを想定した実践的な授業により、座学で学んだ理論・知識を福祉の現場で活かせるようにします。

講義

ソーシャルワークの基本的な専門知識を学びます。

演習

実習に向け、少人数の演習形式で、ソーシャルワークの理解を深めめます。

実習

座学で学んだ知識・理論を実際に福祉の現場で実践し、専門職としての重要なスキルを養います。

専門演習(ゼミナール)

所属の学科教員から「専門演習(ゼミナール)」を選択します。テーマに応じて教員がより専門的な指導を行い、卒業研究に進む準備をします。

卒業研究

ソーシャルワークについて記述・報告し、生活課題や社会課題と向き合いながら実践を展開する力を修得します。

学科別必修科目、履修モデル

福祉計画学科 学科必修科目 履修モデル
2年次 3年次
福祉経営コース 福祉と法(行政法)
福祉教育論
地域福祉計画論
地方自治論
福祉計画とデータ分析
福祉経営履修モデル
地域福祉コース 地域福祉計画履修モデル
コミュニティ・ソーシャルワーク履修モデル
カリキュラム・ポリシー

将来、福祉経営や政策の専門家を養成する福祉経営コースと、地域福祉の計画・環境整備・実践に従事する専門家を養成する地域福祉コースを設置している。

  • 福祉経営コースでは、①生活課題と社会問題を把握し、その解決を支援するために必要な法・経営・計画・政策について、実施上のシステムや手法等と、②福祉ニーズをもつ人々への必要なサービスに関する情報提供、利用援助、権利擁護等の学修に取り組む科目を配置する。
  • 地域福祉コースでは、①福祉ニーズをもつ人の在宅生活の可能性を追求する地域と自治体の福祉計画、②個人や地域の福祉ニーズの把握、目標設定、ネットワーキングやケアマネジメント、サービス提供システムの開発、計画と実践に関する評価、③保健・医療・教育・司法・労働・建設などの分野との連携、④福祉教育や住民参加によるまちづくりの学修に取り組む科目を配置する。

実習教育

実際のソーシャルワークなどを想定した実践的な授業により、座学で学んだ理論・知識を福祉の現場で活かせるようにします。

ソーシャルワーク実習

「社会福祉士」はソーシャルワーカーになるために必須とされる資格。受験資格を得るため、1年次からカリキュラムが組まれ、240時間以上(約32日間)のソーシャルワーク実習を行います。

福祉計画学科・福祉援助学科共通の必修となる実習と実習指導 ソーシャルワーク実習
1年次
2年次
  • ソーシャルワーク実習指導Ⅰ(後期)
    ソーシャルワーク実習および実習指導の意義について学習するとともに、実習で関わる施設・機関等の役割や事業及び実践活動(制度の運用、サービス提供)等について理解を深める。また、実習における個人情報の保護や守秘義務の遵守、実習記録の書き方(視点、・方法)、他の関連諸科目を踏まえた、学生自身の具体的な実習課題の抽出方法や整理の仕方について学習する。
  • ソーシャルワーク実習Ⅰ(60時間以上)
    法令に基づく実習機関・施設の範囲において、基礎的実習を行う。配属機関・施設の機能・役割やその業務、配属機関・施設が所在する地域や利用者の状況等の把握、利用者との関係形成等、ソーシャルワーク実践の基本的な力を養う。
3年次
  • ソーシャルワーク実習指導Ⅱ(前・後期)
    ソーシャルワーク実習のための事前~事後学習指導。実習先に応じての事前学習、実習中の不安や悩みへの対応、実習後の課題整理・レポート作成、同種の実習先で体験した学生による相互討論など、個別指導とグループ指導によって実習を実りあるものにします。
  • ソーシャルワーク実習Ⅱ(180時間以上)
    社会福祉施設・機関で実際の福祉現場の業務やソーシャルワーク実践を体験し、これを通して、対象となる問題の捉え方、実践の方法・技術、さまざまな制度に関する体系的知識など、授業で学んだ知識と理論の意味やさらに深く学ぶべき必要を実感します。
4年次

資格課程などの実習(選択)

精神保健福祉援助実習

精神保健福祉士の専門的役割と業務について理解を深めるため、精神科病院および地域支援施設などで実習を実施。精神障がいのある方たちをめぐる地域社会や、人権問題の実態に触れながら、専門家としての自覚に基づいた行動がとれるよう成長することを目指します。

目指す資格
  • 精神保健福祉士
福祉科教育実習

実習の目的は、(1)教員の職務の大要をつかむ、(2)教科指導、生徒指導などに必要な能力を身につける、(3)高校生の実態に触れる、(4)学校運営を知ることです。事前に学習指導計画を立てて教育実習に臨み、実習後はレポート作成と報告会を通じ実習生活と研究授業を振り返ります。

目指す資格
  • 高等学校教諭一種免許状(福祉)
特別支援学校教育実習

特別支援学校で教育実習を実施。肢体不自由、知的障がい、聴覚障がい、視覚障がいなどのある児童・生徒の教育に携わるために必要な知識と技術を身につけ、特別支援学校の教師のほか福祉施設で障がいのある子どもに関わるソーシャルワーカーとなる人材を目指します。

目指す資格
  • 特別支援学校教諭一種免許状(聴覚障害者)
スクールソーシャルワーク実習

実習先は学校現場を基本とし、学校内外の教育機関で実施。子どもおよび家族の生活上の困難を把握して、問題解決のための方法と子どもの権利擁護について、さまざまな観点から検討します。また、スクールカウンセラーなど、地域の諸機関との連携・協働についても学びます。

目指す資格
  • 認定スクールソーシャルワーク(教育課程指定科目)
医療ソーシャルワーク実習

医療ソーシャルワーカーの役割と業務について理解し、各医療専門職種との連携方法を具体的に理解します。また、地域における病院の機能をふまえ、各関連施設等との役割分担や連携の課題と、医療ソーシャルワーカーの役割を検討し、自身が成長するための学習課題を明確にします。

福祉計画インターンシップ

福祉計画学科の学生向けに開講。行政機関、社会福祉協議会、NPOをはじめとした公益法人、民間企業にてインターンシッププログラムに参加し、それぞれの専門業務に携わる人々が仕事の中で考えていることに触れながら、仕事の大変さと面白さを体験し、自らの成長につなげます。

資格課程などの
実習(選択)

精神保健福祉
援助実習
福祉科教育実習 特別支援
学校教育実習
スクール
ソーシャルワーク実習
医療
ソーシャル
ワーク実習
福祉計画
インターンシップ

目指す資格

精神保健
福祉士
高等学校教諭一種免許状(福祉) 特別支援学校
教諭一種免許状
(聴覚障害者)
認定スクールソーシャルワーク(教育課程指定科目) 医療
ソーシャル
ワーカー
1年次
2年次
3年次
  • 精神保健福祉援助実習(18日間)
  • 福祉計画インターンシップ(3〜4年次いずれか5〜10日間)
4年次
  • 精神保健福祉援助実習(12日間)
  • 高等学校教育実習(2週間)
  • 特別支援学校教育実習(2週間)
  • スクールソーシャルワーク実習(10日間)
  • 医療ソーシャルワーク実習(10日間)

模擬講義動画(2022年度制作)

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