SOCIAL WORKER REAL
子ども支援は親支援も不可欠 誠意をもって家族に寄り添っていきたい
九里 あやのさん
立川児童相談所 勤務(東京都)
2014年 福祉援助学科 子ども・家庭福祉コース卒業
- 取得している資格
社会福祉士
地域で生活する家族の支援のため、児童相談所へ転職。
現在は、児童相談所の相談員をしています。在学中の施設実習から、幅広い年齢の子どもたちに直接支援をしたいと思い、卒業後は3年ほど児童養護施設で働きました。当時は児童相談所の方と関わる機会が多く、その仕事ぶりを見て、施設に来る前の親も含めた生活状況を知りたくなりました。また、支援者としての考えを広げたいと思い、思い切って児童相談所に転職しました。児童相談所では、複雑な事情や困難さを抱えた子どもとそのご家族との面接や相談、支援が主な仕事です。必要に応じて、地域の子ども家庭支援センターや学校、病院、警察等と連携を図り、支援ネットワークのなかで見守っています。
「子どもの支援は周囲の人や環境にも働きかける」という在学中の学びを実感しています。
日々仕事をする中で感じていることは「親への支援」の大切さです。子どもは周囲の人間関係や環境からの影響を受けて育っていきます。しかし一番近い大人である親も色んな事情や困難さを抱え、悩み困っている場合が多くあります。そのため親の抱えているものにも目を向けていくこと、それぞれの生活があり、そこに寄り添いともに考えていく姿勢が必要です。学生時代に「誰かを支援する時は、周囲の人や環境にも働きかけていくことが大事だ」と学びました。その言葉を今、実感しています。
私自身も周囲に支えられ日々仕事をしています
虐待対応ダイヤル「189」や相談窓口には、さまざまな相談や情報が寄せられます。保護者自身からの子育ての悩みの連絡もあり、必要に応じて地域の子ども家庭支援センターと一緒に家庭訪問をしたり、学校で話し合いをすることもあります。なかには子どもの安全を確保するために緊急対応を要する場合や厳しい話をする必要がある場合もあります。個人だけで判断することはなく、常に情報共有を行い、組織として対応を検討していきます。悩むこともありますが、職場の先輩方は相談しやすく、話を聞き必要な助言をいただけるため支えていただいています。こうした意見はとても勉強になり、相談員としての成長にもつながっています。
また、職場の児童心理司と話す中で気づきを得ることや、様々な専門職の方とお話しする中で新たな視点に触れることも多くあります。家族のためにどういった支援ができるかを真剣に考えている方々と一緒に働ける環境は恵まれていると感じます。これからも日々学びながら子どもやご家族への支援に携わっていきたいと思います。
※掲載内容は取材当時のものです。