SOCIAL WORKER REAL
子どもとご家族に誠実に向き合い、信頼関係を築く。
菅原 香南 さん
社会福祉法人旭児童ホーム 川和児童ホーム 家庭支援専門相談員
2022年 福祉援助学科 子ども・家庭福祉コース卒業
- 取得している資格
社会福祉士
私が勤めているのは、神奈川県横浜市にある川和児童ホームという児童養護施設です。ここでは、複雑な事情や困難を抱えた子どもたちを預かり、それぞれに必要な支援を行っています。家庭支援専門相談員である私は、児童相談所などの関係機関と連携しながら、各種の連絡調整や相談対応をしています。子どもにとってもご家族にとっても、お互いが安心して幸せに過ごせるように何をすべきなのか。簡単に答えは出ませんが、子どもやそのご家族に誠実に向き合いながら、日々仕事に励んでいます。
福祉職に就いたのは、前職である学校教諭としての勤務経験がきっかけでした。親子関係で悩んでいる生徒の相談にのるうちに、より広い視野で子どもたちを支えたいと考えるようになりました。日本社会事業大学のオープンキャンパスに行くと、後に恩師となる有村先生と卒業生の方が談笑しているシーンを目撃。その姿から温かな関係性を感じ、卒業後でも仕事などについて相談できる頼れる先生方が在籍されている環境に魅力を感じ、入学を決めました。大学ではディスカッションの機会が多く、学生間で活発な意見交換があり、さまざまな考え方に触れることができます。多彩な職種のゲストスピーカーが教壇に立つ授業では、仕事の経験談や実際の事例について学べて興味深かったです。実習では児童相談所に加えて、特別養護老人ホームにも行きました。子どもの支援を考えていた私にとって、人生の先を見据えて今どのような対応ができるのか考えさせられました。それと同時に、必要に応じて早い段階で福祉サービスにつなげ、その中で適切なサポートを行うことが重要だと気づきました。さらに、現場での経験を積みたいと考え、児童ホームで1カ月間のアルバイトをしました。子どもたちと24時間一緒に過ごしてみると、夜寝る前に本音を話すケースも見受けられました。生活を共にしながら支援することの意義を見出し、この仕事に就こうと決意しました。
現在の職場では、退所した子どもから連絡がくることがあります。実家のような心の拠り所として信頼してもらえる関係性を先輩の職員が築いたことに、感銘を受けました。温かいホームづくりに貢献できるよう、これからも、一人ひとりの子どもを親身になって支え、その成長を優しく後押ししていきたいです。
印象に残っている先生の言葉は?
「自立することとは信頼できる人を増やすこと」。信頼できる関係をつくることが福祉の役割の一つです。
望んでいる未来像は?
福祉の手助けを必要としない家庭・子どもを少しでも増やすことです。
※掲載内容は取材当時のものです。